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本学における研究教育活動とアーツ前橋の案件について

2024年7月30日

 この度、うらあやかさんのご意見書への返答が国際芸術創造研究科から示されましたが、私からもお答えを掲載させていただきます。
 まず、ご指摘のあったクレジット表記については参加を依頼させていただいた時点から展覧会情報を公開する間に新しい授業体制に移行するための変更点を話し合っていたことが原因と考えています。今後は、教員及び学生との調整を早期におこなうことで改善していく所存です。詳しい経緯は、本研究科の返答に書かれている通りです。
 また、ご指摘のあったアーツ前橋の案件について、これまで私はすでに表明している意見以外の発言は控えておりましたが、今回本学の学生に影響が及ぶのは看過できないと感じ、あらためて私の見解を記すことにしました。

 まず、私の経験を研究や教育に反映することは大切なことであり、その都度適切な方法で学生に語りかける機会をつくっています。これらはどれも雇用、ジェンダー、職業をめぐる不平等と関係することだと考えています。
 ただ、そうした意識を持っていても、結果的に無自覚に誰かを傷つけてしまっていることもありえます。私は事業遂行の責任者だったにも関わらず、事業に従事する職員が抱えていた問題を十分に理解できていなかったと思います。恥ずかしながら私は職務における不平等を後になって振り返ることになりました。しかし、本来は未然に防ぐべきことだったはずであり、深くお詫びいたします。
 それぞれの経験や見解を私と共有し、意見を交わす機会を作っていただいている芸術領域に従事する方々、かつての、現在の同僚、学生には心から感謝しております。今後は、私の見解に対するご理解を得ながら、自分の役割を果たしていくつもりです。

 すでに公表している私の見解は次の通りです。作品紛失の案件については、お詫びの言葉と前橋市の調査報告書の問題点を2021年6月に意見書に記し、公表しています。そこで指摘した盗難の可能性が調査されなかった点について、後日前橋市は盗難の可能性があったと認めています。
 契約不履行とハラスメントの二案件については、昨年メディアの取材に返答することで私の見解をすでに示していますので、それを繰り返します。前者については、前橋市によって賠償が済んでおりこれ以上コメントすることはありません。後者については、心を痛めた方に対して大変申し訳なく思っています。
 前橋市による私の処分は訓告のため不服申し立てはできず、すでに公表した上記の見解以外に、私は同市に対して意見表明をおこなうつもりはありません。前橋市には在任中に厚いご支援をいただき、私の退任も予定されていたものでした。しかし、上記三案件における同市の調査や前市長の見解には偏りがあり、詳細を知るために必要な情報が不開示とされ、また調査されていない点があるなど、誠実な調査がおこなわれていないと私は考えています。

 本学に対し、私はこれらの案件について適切に対応しきれなかった点も含めて丁寧に説明し、真摯に検討いただきました。私は一時期体調不良のため休みをいただきましたが、昨年4月に復帰し、現在は本学における研究と教育の活動を続けています。
 まだ、試行錯誤を繰り返しているところですが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

住友文彦

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